糖鎖栄養素とその機能性について
糖鎖とは、グルコースやガラクトース等に代表される単糖が複数つながったものを指します。
単一の種類の単糖から構成される場合はモノポリマー、複数の種類から成るものはヘテロポリマーと呼びます。
近年、その機能性や重要性が注目されているのはヘテロポリマーに分類されるもので、これらは複合糖鎖または複合糖質とも呼ばれ、発生、分化、生殖といった、我々の生命活動に重要な物質であることが明らかになってきています。
このヘテロポリマーは糖同士のみならず、タンパク質や脂質等の分子と結合することが可能であり、これらは細胞の表面上に発現することで、多様な生理機能を有しているのです。
例えば、これらのヘテロポリマーはお互いに接触することで、ウイルスの侵入やホルモンからの指令等の情報を受け取ったり細胞間で交換したりすることができ、細胞のアンテナの役割を果たしています。
このように機能性が注目されている複合糖質を、栄養学の視点から捉えたのがグリコニュートリションと呼ばれる研究領域です。
ヒトの糖鎖を構成する単糖は8種類ありますが、現代の食事からそれらをバランスよく摂取することは難しいとされています。
米やパン等を構成するグルコースや乳製品に含まれるガラクトースは普段の食事から摂ることが容易であり、他にも蒟蒻にはマンノースが海藻類の粘性物質にはフコースが含まれます。
しかし、ヘテロポリマーは少なくとも5000種類以上あるとされており、食事からの単糖の摂取だけで体内の複合糖質の正常化を促すのは難しく、食事に加えて複合糖質として摂取することの有益性が考えられています。